粘土科学研究所発
「ねんどの日焼け対策」の配合成分 は、次のような条件のもとに決めました。


日焼けを防ぐために・・・・・・強い紫外線による「肌の日焼け」は、肌のメラ
ニン色素を黒く変色させ、 発ガンの要因にもなり、また肌の保湿成分を失われせるの
で、一時的な小じわ や、シミなどの障害を、もたらします。
ところが、私たち人間の生活を豊かで快適にするための冷蔵庫などのもっとも安
全な触媒として大量に生産されてきたフロンガスが、 強い紫外線を緩和してくれる
大気圏上層部のオゾン層を破壊したため、こうした障害が、飛躍的に増大しています。
この有害な紫外線を防ぐのにもっとも有効なのは、とにかく、紫外線を含む日光
を肌に当てないことですが、肌の地色が見えているときは、光が、肌に到達し、反射
することによって私たちの網膜に見えているのですから、当然、 地色のままでは、紫外線
は、そこにしっかり到達しています。
だから白い色を塗れば、日光を反射して紫外線を当然防げるのですが、「肌に安
全で安定的、かつ肌にりしっくりとなじむ白い物質」は、いまのところ、無機の鉱物・
酸化チタンがもっとも適切のようです。それでも一時、アメリカでは、白色人種の間で、肌
に負担が多く皮膚ガンの遠因の疑いがもたれましたが、黄色人種の日本人には問題ないよう
です。


このように、鉱物には、光の反射・散乱効果があるものが多く、粘土鉱物も、世界
中の産出地域の住民によって強い日差しを防ぐのに利用されてきました。
しかし、どんな反射剤も、より大きな効果を得るためには、その肌の地色が見えな
くなるまで厚く塗り込むしかなく、するとかえって重い負担を肌にかけ、なにより
「真っ白い顔」になってしまって日常空間のなかでは見苦しいのが欠点です。皮膚トラブルの専門
医によると肌がかぶれたりほてったりのトラブルの多くは、使った化粧品の毒性よりも、過剰
な使用がまず第一の原因であると指摘しています。なにごとも、程々が良いのですね。


いっぽう、動植物などの有機物には、無色透明でありながら、紫外線を肌に到達さ
せる前に、他のエネルギーに変えてしまう成分がいくつかあります。そこで開発された
のが「紫外線吸収剤」。この、「吸収」という言葉は、肌に紫外線を吸収させるかのような
印象を与えますが、本当は、肌に紫外線を到達させないためその有機物に紫外線を吸収させる
方法なのです。「光のエネルギー」を吸収し、別なエネルに変換させる方法は、いままで
にいくつも開発され、そのなかには、「光を自分の持つ成分と化学的に合成させて、別の物質
にさせてしまう」方法はかなり有効ですが、この「変換された別な物質」が、新たに肌に負
担をかけるかどうかの見極めがまだついてないため、最近は敬遠されています。
そこでいまもっとも普及しているのが、光エネルギーを「桂皮(シナモン)」の
成分をもとにした物質に与え、「熱エネルギー」に変換してしまう方法です。その方法は、30分間
で0.1℃の上昇熱を発生させることで、肌への光の到達を防ぎます。しかし、肌が大気中で30
分の間に感じる「0.1℃の上昇熱」は、「熱さ」として感ずることはまったくありません。


このように吸収剤、反射剤がいろいろある中で、それぞれの長所、短所を吟味した
うえで、安全で安定的な成分をほどほどに選択し、しかも それらの使用量の上限よりずっ
と低めに使うことで総合的な効果を目指す。そうした結果、ともすれば「日焼け止め」の効果においては、SPFは20程度
(自社テスト)という生活紫外線対応の製品になりました。したがって商品名「ねんどの日焼け対
策」とあるように、これひとつで「日焼けを止める」ことはできません。むしろ、日焼けの副
作用、シワ、シミなどに、生薬効果の高い植物エキスや米胚芽油などを加え、「日焼け全般の障害
対策」を目指しています。そして、重要なことは「紫外線反射」の役割も担う粘土が超微
粒子の結晶なので、たいへんさっぱりした使い心地であること。また数10枚ほど重なったそ
のカード状の結晶層間に、あらゆる成分を挟みこむので、界面活性剤なしでも各成分がよく混
ざってくれ、油分がべたつかないのです。
そして日常紫外線の防止程度の効能は、おのずと、海や山で塗りっぱなしで一日
OK!というわけにはいきません。使うお客様自身による、1〜2時間ごとの塗り直し
や、帽子と長袖の着用などの自主的な努力を、必要とします。
 

最後に、厚生省は、この4月に「全成分表示」を製造者に義務づけたため、従
来の102種の「アレルギー要注意品目」は、2700種以上の使用許可品目の中に紛
れ込んでしまいました。しかし、一方で、肌に負担がかかりやすい品目には、上限を設定して
使用を 制限するための「ネガティブリスト」を作りました。「吸収剤」については、 そ
うとう厳しくテストし、ひとつひとつに細かな上限パーセントが指示されています。桂皮酸由来の「ジ
パラメトキシケイ皮酸モノー2−エチルヘキサン酸グリセリル」はその中でも 上限が高い部類
の10%ですがわたしたちはこれを、1.2%使用しています。
さらに、日焼け対策配合成分は・・・・
*ユキノシタ  植物エキス(紫外線によるメラニンの生成をおさえる。抗酸化、消炎、保湿作用)
*ウイキョウ  植物エキス(UV抑制作用)
*オウゴン   植物エキス(紫外線吸収剤、抗アレルギー)
*米胚芽油  (紫外線吸収、遮断効果。抗酸化作用、メラニン色素生成を抑制)
 以上が日焼けの効能、成分説明ですが、こうしてみると、効能はおだやかだが
 使い心地はさらっとしていて、なめらか。